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マイナンバー最前線!「年末調整、ネットで完結」は実現するのか

マイナンバー最前線!「年末調整、ネットで完結」は実現するのか


 2016年1月から運用が開始されたマイナンバー(個人番号)。マイナンバーの導入にともない、企業は多くの対応に追われ、現場では数々の混乱が起こりました。あれから約1年半、現在では企業内の運用も落ち着きはじめているかに見えます。しかしマイナンバーを巡る状況は確実に変化しています。今回は、最新のマイナンバーに関する報道について、弊社の独自調査の結果と共にご紹介します。

1.マイナポータルを利用することで、年末調整がネットで完結?


 「年末調整、ネットで完結」--2017年8月14日の日本経済新聞朝刊に掲載された記事の見出しです。年末調整業務で使われている紙を電子化し、マイナンバーの個人ポータルサイト「マイナポータル」を利用することで企業の業務負荷を軽減する、という内容が報道されました。

 現在、大手企業を中心に、年末調整業務のシステム化が進んでおり、なるべく紙を廃止することで業務効率化が進んでいます。しかし、どうしても紙を無くせない部分があります。それは、生命保険会社や金融機関から従業員に紙で送られてくる証明書です。


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 従業員は生命保険料の支払額の控除を受けるために、生命保険料控除証明書を企業に提出します。また住宅ローン減税を受ける場合は、住宅ローンの残高証明書を企業に提出します。これらの証明書は、それぞれ生命保険会社や金融機関から紙で送られてくるため、従業員も企業へ紙で提出することが余儀なくされていました。この証明書に関連する手続き業務は、行政機関にとっても企業にとっても効率化が難しい部分でした。

 今回の報道によれば、まずは生命保険会社や金融機関が発行している証明書を電子化。電子化された証明書を、契約者である従業員のマイナポータルに転送。従業員はマイナポータルから企業へ、データで証明書を提出する、との方針を打ち出しています。この新たな手続きについては、財務省と国税庁が協議を進めており、2018年度の税制改正大綱に盛り込み、2020年度を目途に導入を目指す、というスケジュールも併せて記事には記載されていました。

2.独自取材で見えてきた、政府・行政と報道内容との温度差


今回報道された内容が実現すれば、年末調整業務は確実に効率化されます。弊社では、記事の内容を確認するために、関係する複数の行政機関に対して問い合わせを行いました。その結果、下記の2点が明らかになりました。

・証明書の電子化について検討を開始し、なるべく早く結論を出したいと考えている。早ければ2018年度の税制改正大綱に盛り込みたい。

・証明書が電子化された後、そのデータを取得・連携するためにはシステム整備が必要になる。どういった方法で実現するのかについては検討中であり、現段階では未定。


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ヒアリングの結果、報道された証明書の電子化については議論されているものの、”2020年度を目途に年末調整業務がネットで完結する”という報道と、財務省・国税庁など政策立案そのものを担う省庁の動きには温度差があり、報道内容は若干前のめりなスケジュールであると予測されます。しかし、本件が実現すれば、企業の業務が効率化されることは明らか。いずれにせよ2018年度の税制改正大綱の内容に引き続き注視していきたいと思います。



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